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自然に近づくこと
punk
漆のしごと
台風で折れた楠でスプーンを作っています。楠は硬くて節が多くて非常に削りにくいです。
まだまだ梅雨真っ盛りの屋久島です。
しかし、たまに顔を見せるお日様はすっかり「夏!」といった感じでアツいです。
今年は梅雨入りが早かった分、梅雨明けも早ければいいのになーなんてことを思うのですが、自然相手ですから、なかなかそう思い通りにはならないでしょうね。
ということで受け入れるしかありませんね。
ところで、屋久島では雨が降った後に一気に晴れることが多いのですが。そんなときは虹が島のどこかで出ます。出会ったらラッキーです。
そしてそんなラッキーなことだけではなく、湿度が非常に高くなり不快指数がグーンとアップします。
人間にとっては不快な気温と湿度の上昇。ですが、この高温多湿の環境こそが実は漆を乾かすのに最高の条件となるのです。
不思議ですよね。湿度がないと乾かないなんて。
ということで、今は漆仕事をちょこっと前進させています。
これは色味の実験用に塗った物ですが、そのまま何かに使えそうです。
削り出した夜光貝を木地にはめて、炭粉と真鍮粉を蒔きました。
『つくることいきること』
なんだかぼちぼちと生きています。
なんだかぼちぼちとつくっています。
これは*amulet*(お守り、護符、厄よけ、魔除け)づくりの途中です。
自分だけのお守りを入れるための小さな袋です。首から下げれるようにします。
ちなみに自分用のものには琥珀と菩提樹の実を入れています。↓
ちくちくちくちく一針の進みは小さいけども確実に形になっていくようです。
どこまでやったら完成なのかは感性次第。
人生も一歩一歩の歩みは小さいのでしょう。
だけども確実にその歩みが形となります。それがよい形なのかよくない形なのかはわからないけど、自分にとってよい形となればいいですね。
大げさかもしれないけど結局はつくることも生きることも同じ軸が必要なのでしょう。
それは自分の感性を大切にするべきということです。
大切
何を入れようかなと考えるのが面白い巾着袋です。
外見は歪んだりしていても、大切なものは中身とその裏側の物語にあるのです。
美しい外見に囚われてうっとりしている人々よ。いまある外見的な美しさは無常です。
人々は、美しさが全てと心を乱し焦り、美しさで争い、美しさに妬み憎しみ、美しさで身を滅ぼす。
それはエゴという人間の醜さなのだよ。 歪み汚れ、でも他と調和している。それが自然。
美しさとはそんな自然の中にこそあるのだよ。
ショーケースの中よりも、青く広がる空を見上げたほうが気持ちいい。
高いビルの展望台よりも、自力で山に登って見る景色のほうが心は満たされる。
僕はそう思う。